店舗デザイン事務所リリウス  代表 坪 祐里奈

店舗デザイン事務所リリウス  代表 坪 祐里奈

日常に+α 心躍らせる場所があれば楽しい。誰かの日常の+αの存在になれる場所をたくさん造る事。それが私の仕事です。店舗デザイン事務所リリウス代表 坪 祐里奈。

Topics

▶︎ 事業内容

▶︎ 大学3年時の出産・結婚  — 独立するまでの経緯 —

▶︎ モデルケースになりたい — 今後の夢や目標 —


事業内容を教えてください

店舗のデザイン設計を行っております。

飲食店がほとんどメインになるんですが、最近はオフィスとかクリニックとかも増えてきました。

私はほとんど飲食店専門で仕事しているんですが、このコロナ禍で飲食店の新規出店等がほとんど無くなってきてしまったので、飲食店のお仕事はここ1年でだいぶ減ってしまいました。

その代わりに今まであまりやっていなかった、クリニックさんやオフィスのお仕事が増えてきたような形です。

大学3年時の出産・結婚

— 独立されるまでの経緯を教えてください —

遊園地を作りたいと思って工学部に入ったんですよね。

大学3年生の時に出産と結婚をしまして、結婚後に子供を育てながら卒論を書き、就活をし、卒業、就職をしました。

十年前の当時、就活をする中では建築業界っていわゆるブラックのブラックという感じでした。

今でこそ、「現場女子」という言葉ができたり、女性も働きやすいようにと改善はいろいろされていると思うんですけどね。

子供ができてしまった段階で建築業界は諦めようかなと思いましたが、モノを作るということがすごく好きだったのでメーカーさんの企画やそういった職種で就活していました。

その中で1社だけ建築の会社さんを受けたら、そこで内定をいただけたので、入社することにしたんです。

そこの会社はデザインや設計ではなく、施工・工事の会社でした。

最初は、CADオペレーターとして現場の図面のお手伝いみたいなことをしていたんですけど、次第に現場監督的なことも教えていただけるようになりました。

現場や工事に関することは、職人や先輩の現場監督から教えてもらいましたが、自分がやりたかったのはデザインや設計の方だったので、デザインや設計に関しては仕事の傍ら、全て独学でここまでやってきました。

その施工会社にはしばらくいたんですけど、やっぱりデザインや設計がやりたいなという思いが強くなり、その会社を辞めて別の会社に就職したんですよね。

そこもデザインや設計の会社ではなかったんですが、今後そういうことをやっていきたいなという会社だったので入社しました。

その2社目の会社はすぐに辞めたのですが、その後は同時期に辞めた工事の現場の先輩と一緒に施工会社を作りました。

ですが、私がやりたかったのはデザイン設計だったいうのもあり、その施工会社は施工会社として大きくなっていくだろうから、私は私でその時に今のデザイン会社を立ち上げたんです。

ずっと二足のわらじでやっていて、今年の夏に完全に施工会社の方を辞めて、デザイン設計の会社一本にしました。

モデルケースになりたい

— 今後の夢や目標はありますか —

目標が3つありまして、1つは40代で「商店建築」に載りたいということです。

商店に特化した建築雑誌になってくるんですが、載れたら嬉しいなと思っています。

活躍している方も40代以上の方が多いかなというイメージがあるので、40代でそれに載るように頑張りたいです。

もう1つがこの店舗のデザイン設計という仕事を既婚、子持ちのまま60歳までやり続けるということです。

なぜかと言うと、その条件で60歳までこの仕事をされている女性っていうのが本当にいないんですよ。

住宅やインテリアコーディネーターにはいらっしゃるんですが、店舗を主でやっている人は全然いなくて。

いないんだったら私がやってみたいなと。

そして最後の1つは、10年前に私自身、結婚して子供がいて、ツテもコネもなくデザインや美術の学校を出たわけでもない、そんな中で設計やデザインがやりたいと思った時に、目標とする人やモデルになる人が全くいなかったんですね。

もう、私はどうしたらいいか分かりませんでした。

毎日手探りだったので、建築業界を目指したい女性の方、学生のうちに子供を産んだけど普通に就職したい方、結婚して子供がいても仕事を続けたい方、そういう人達のモデルケースじゃないですけど、目標みたいにこういう人もいるんだっていう1つの例になれればいいかなと思っています。


誰かの日常の+αになれる場所をたくさん造る。インタビューをしている中でこの想いが随所に見えた。実際に設計された店舗を見るとそこには想いのこもったデザインが光っていた。